相続対策・準備 ~遺言の作成にあたっての重要ポイント~

未分類

相続の準備・対策として、皆さんがまず気にされるのは、遺言を作成すべきか否か、作成するときに気をつけるべきポイントは何か、という点かと思います。

実は、相続に関するトラブル・訴訟は、最近でもかなりの件数がありますが、その中でも紛争になることが多いのは、遺言の有効・無効と、寄与分です。

今回は、まず1つ目の遺言について、後々紛争にならない遺言を作成するにはどうすれば良いのか、最も重要と考えられるポイント(遺言能力)についてご説明したいと思います。

相続の対策・準備は、まず遺言作成から

まず、前提としてですが、皆さんご自身の財産の相続について、相続人間で何かしらトラブルが起きそうな場合、又はトラブルが起きることを可能な限り防止したい場合、1つの有効な手段は「遺言」の作成です。

ただ、日本の民法では、丸まま亡くなった方の遺言の通りになるというルールにはなっておらず、遺言の内容は「尊重」されるものの、実際の財産の分配にあたっては、それを修正するルールがいくつか定められています。

とはいうものの、遺言は、亡くなった方の最期の意思として尊重され、財産の分配の「スタートライン」になります。

是非、皆さんにおかれましても、遺言を作成し、自身の財産の分配に当たって積極的に活用することをご検討ください。

遺言作成時のポイントは遺言能力

では、遺言を作成するときのポイントは何でしょうか。

実際に相続に関して起こっている紛争・裁判などを見ると、遺言作成時の最重要ポイントは、いかにして「遺言能力があること」を明確にしておくか、と言えるかもしれません。

もちろん、法律上有効な遺言として認められるための形式を満たすことも極めて重要です。

ただ、遺言の形式面については、昨今のインターネットの発達によって、色々と調べることができますし、弁護士に相談すれば確保されと思いますので、実際に問題になることは減ってきているようにも思われます。

他方で、遺言能力に関する紛争は跡を絶ちません。要注意です。

この「遺言能力」とは、簡単に言ってしまえば、「ちゃんと遺言を理解して作成していること」を指します。つまり、ボケて何を書いているかなどが分からなくなってしまっていると、遺言能力なし、となりえます。

遺言作成時の遺言能力がなぜ重要なポイントはになるのか?

この遺言能力というのは、結構厄介な紛争の種になります。

「私はしっかりしているから、問題にはならないかな。。」

と思っている方も、油断ならないのが、この遺言能力です。

というのも、皆さんも含め、一定程度の方は、どうしても年を重ねるにつれて少しずつボケてしまうことになるかと思います。

そうすると、本当は遺言を作った時はしっかりしていたのに、「実は遺言を作った時からボケてたんじゃないか」といって、遺言能力が争いになってしまう訳です。

遺言のポイントである遺言能力をどのように証明するか?

では、どのように遺言能力があることを、「証拠」として残せば良いのでしょうか。

残念ながら、遺言能力を確実に証明できる証拠というのはありません。

よく勘違いされるのですが、これは、公正証書遺言を作っても根本的には同じです。

そのため、遺言の作成前後の、遺言を作る人が「しっかり」していることを示しうるものを、可能な限り集めておくことが重要ポイントです。

具体的には、やり取りを長時間にわたってビデオに撮っておいたり、友人との手紙を残しておいたり、日記などの習慣があればそれを残しておくのも良いでしょう。

要するに、もし遺言の作成について弁護士に相談する機会があれば、是非、遺言能力の証拠の残し方についても相談していただければと思います。

遺言を一度作っても完璧ではない

なお、遺言の厄介なところは、一度遺言を作っても、そして、その時に遺言能力があったとしても、必ずしもその遺言の通りにはならない場合があることです。

1つには、その後に相反する遺言が作成されると、後から作られた遺言の方が優先することになります。

亡くなった方の最期の意思を尊重するものですので、それ自体は合理的だと思うのですが、できれば気にして頂きたいのは、遺言を作り直すのであれば、それよりも前に作った遺言はしっかりと破棄しておいて欲しい、という点です。

複数の遺言が出てくると、それだけで紛争の種になってしまいますし、1つだけ遺言がある場合に比べると、解決までより時間がかかります。

本来は泥沼の争いを避けるために遺言を作るのでしょうから、是非、上に書いたポイントを忘れないようにして頂ければと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました